ドイツ勢恐るべし
2018年 02月 21日
昨日の平昌五輪のスキー複合個人ラージヒルで日本期待の渡部暁斗選手は、難敵のドイツ勢に24秒差という絶好の位置でスタートしたのですが、ゴール1km手前で失速し5位に終わりました。
渡部選手から24秒遅れてスタートしたドイツ勢は3人は、一致団結し集団でどんどん渡部選手に迫ってきます。
まるでスケートのパシュート競技のように1列になり、1番疲労する風よけの先頭役を交互に交代しながら進んでいました。
一方、渡部選手は2位のノルウェーの選手が前に出るのを嫌がる素振りを見せたために、ずっと風にさらされる先頭を行き、どんどん疲労が蓄積していきました。
24秒差を追いついてきたドイツ勢は渡部選手をすぐに抜かさずに、体力が回復するまで後ろにピッタリと着きました。
スキー複合個人ノーマルヒルでは渡部選手は銀メダルだったのですが、ゴール1km手前の心臓破りの坂でドイツのフレンツェルに競い負けたのです。
その坂で競い合うとドイツの選手には到底かないません。
渡部選手が勝つためにはその坂よりも前でスパートしなければいけません。
渡部選手はその坂の500m手前でスパートしたのですが、すぐに追い付かれて集団に吸収されてしまいました。
ドイツ勢はかなりの無理をして24秒の差を先頭の渡部選手に追いついてきたはずです。
追いついた後、一気に抜かさずに少し休んでいますので、渡部選手の勝負どころはドイツ勢が追いついてきたその時だったのかもしれません。
そんなことは渡部選手は百も承知でしょうが、先頭の風にさらされ続けた渡部選手にはその時にはもう体力が残っていなかったのでしょうね。
ゴール後の渡部選手の疲労困憊ぶりが勝負の厳しさを物語っていました
渡部選手のスキーは滑りが悪かったですね。
スキーを漕がない下りでは、並走していたノルウェーの選手の方がほとんど前に出ていました。
おそらく渡部選手のスキー板に塗るワックスの選択が良くなかったのでしょうね。
それにしてもドイツ勢は強かった~!
ドイツ勢の「火事場のくそ力」的なゴール前の怒涛のラッシュは、まるでホウレン草の缶詰を食べた時のポパイのようでした。
ゴール前で競っていたなら到底かないません。
結局、1位ルゼック、2位リースレ、3位フレンツェルとドイツ勢が3位までを独占。
ゴール後に倒れ込む他の選手と違い、ゴール後もお互い抱き合って喜ぶ余裕がありました。
明日複合の団体戦がありますが、クロスカントリーに強いドイツ勢の優位は動かないでしょう。
日本勢はなんとかジャンプで頑張って大きなリードをもらって先にゴールして、強いドイツ勢を「ギャフン」と言わせてもらいたいものです。