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記憶にも記録にも残るキャッチャー

私が過去に甲子園で記憶に残った選手や場面といえば、PL学園の清原・桑田のKKコンビ、早稲田実業の荒木大輔、星稜の松井秀喜、横浜の松坂大輔、ハンカチ王子とマー君のライバル対決です。
その後、数多く活躍した選手も出ましたが、私個人的には11年前の斎藤佑樹・田中将大選手以降、強烈に印象に残った選手はいませんでした。

ところが、今年の夏の広陵の中村奨成選手には度肝を抜かれました。
決勝戦では破れはしましたが、この夏の大会はまるで彼のためにあるような大会でした。

中村奨成君は32年前の1985年に清原和博さん(PL学園)が打った大会記録の5本塁打を上回る6本のホームランを記録しましたし、2008年の河合完治さん(中京大中京)の大会記録の28塁打を大きく上回る43塁打を記録。
さらに、2008年に萩原圭悟さん(大阪桐蔭)が記録した大会記録の15打点を上回る17打点を記録しました。

以上の3つの新記録の他に、通算19の最多安打数、通算6の最多2塁打というタイ記録も記録しています。

決勝戦では、花咲徳栄のバッテリーに警戒されてなかなか勝負してはもらえませんでしたが、3安打を打ちました。
10点差の開いた9回でようやく真っ向勝負してきた大会ナンバーワンピッチャーの清水君のストレートを見事に左翼に打ち返し2塁打としました。
打たれた清水君も、「1番自信のある真っすぐを簡単に打たれて、こんなにすごいバッターはいないと思いました」と、甲子園ナンバーワンのバッターの打球の凄さに脱帽したそうです。

中村奨成君の凄いのは打つだけではなく、キャチャーとしての守備能力の高さです
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広陵のショートの高田君とセカンドの吉岡君はとランナーが出るといつも緊張するそうです。
それは、キャッチャーの中村君からの送球がいつ来るかわからないからです。
ランナーが油断して離塁した時や1塁ランナーが盗塁した時には、地を這う矢のような送球が飛んで来るのです。
ワンバウンドするのではないかと思うほど低い送球は、「シューーーッ」と音をたててそのまま野手のグラブに吸い込まれるほどの見事な送球なのだそうです。
あまりの球の速さで、キャッチするとめっちゃ痛いそうです。

さらに、中村君は50メートル走6秒0、遠投120メートルと走攻守3拍子揃った選手なのです。
3歳で両親が離婚し、母方の家庭で育てられました。
早くお母さんや祖父母に孝行するために、先日プロ入り希望を表明しました。

プロ入りか進学か去就のはっきりしない早稲田実業の清宮君に代わって、中村君がこの秋のドラフトで最も注目される選手になるのは間違いないでしょう。

巨人の小林誠司選手は中村奨成君と同じ広陵高校のOBで、10年前に現広島の野村祐輔投手とバッテリーを組んで、甲子園夏の大会で準優勝しました。
小林選手も指導した広陵の中井監督は、小林選手と中村選手を比べてみて物が全然違うと中村君を評価してました。

今年の小林選手の本塁打はオールスターの1本だけで、公式戦ではまだ1本もありません。
WBCの有力候補だった楽天の嶋選手が辞退を表明したこともあるのですが、今年春のWBCで日本の正捕手は巨人の小林選手だったのです。
今の日本のプロ野球界には優れた捕手が少ないのが実情です。

現在のプロ野球は、自軍の投手の特徴や対戦する相手バッターのデータを全て覚えて、相手の弱点をつくというデータ重視の野球なのです。
そういうこともあって、高卒のキャッチャーをプロで活躍するまで育てあげるのは、非常に時間のかかる事なのだそうです。

中村奨成君なら、首位打者を獲ったこともある元ヤクルトの古田敦也さんのように打てて守れるキャチャーになる潜在能力が充分にあるのではないでしょうか?

ドラフト会議では多くの球団が彼を1位指名するでしょう。
足も早いし肩も強いし、外野なら即戦力で使えるかもしれません。
もし日本ハムが指名したら、中村君は球も速いから栗山監督に投手と打者の2刀流をさせられるかもしれません。

しかし、キャッチャーとしての中村奨成君こそ日本の宝だと思うのですよ。
高校生のキャチャーとしてあれほどの守備をできる選手は、世界のどこを探してもいないのではないでしょうか。
もし彼を指名するのなら、キャッチャーとして一流選手に育て上げる覚悟のある球団だけにしてほしいものです。

日本のプロ野球でキャッチャー出身の監督は、現在はパ・リーグのロッテの伊東監督と楽天の梨田監督だけです。
しかし、伊東監督は今季で退団します。
セ・リーグにはキャッチャー出身の監督はいません。
ヤクルトの真中監督は今季で退団を表明してますが、後任にもし古田敦也さんが復帰してヤクルトの監督にに戻るのなら、古田敦也さんこそ中村君を育てあげるのには最高の人物だと私は思うのですが・・・

甲子園の本塁打記録にあと1本に迫った準決勝の前に中村君はこう言いました。
「記憶にも記録にも残るキャッチャーになりたいと思います」と・・・

中村君は、甲子園でみんなの記憶にも残り、大記録も残しました。
しかしながら、深紅の優勝旗を手にすることはできませんでした。
今度はプロ野球のキャチャーとして「記憶にも記録にも歴史にも残る大選手」になってもらいたいものです。
by k2hair | 2017-08-26 07:01 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

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