「あたらしい憲法のはなし」
2017年 05月 03日
今から70年前の今日、日本国憲法は施行されました。
70年前の8月に文部省は、中学1年生向けに「あたらしい憲法のはなし」の社会科の教科書を作りました。
「あたらしい憲法のはなし」の事を今朝のNHKのニュースで紹介していました。
愛知県の桜丘高校では社会の授業で復刻版の本を使っているそうです。
習った生徒さんもこの本のピュアな精神に感動してました。
評論家の田原総一朗さんも中学生の時にこの教科書で習ったそうです。
主権が天皇でも総理大臣でもなく国民にあるということに、「本当にそんなことが認められるのか?」と驚いたそうです。
この「あたらしい憲法のはなし」の内容がホンマに素晴らしいのです。
著作権は旧文部省に属しますが、今は保護期限は過ぎパブリックドメインとなって、現在は復刻版が出版されているのです。
青空文庫で全文が紹介されているので載せておきます
「あたらしい憲法のはなし」の中で「戦争の放棄」の章ではこのような挿絵があります。
戦争放棄と書いた大きな釜の中で軍艦や軍用機を燃やし、その中から電車や船や消防自動車が走り出し、その脇で鉄塔や高層建築物が光り輝いて出てきています。
原文
「こんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。
その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。
これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。
これを戦力の放棄といいます。
「放棄」とは「すててしまう」ということです。
しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。
日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。
世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。
旧文部省が、この本を発行したということには驚きです。
当時の日本人は、よほど戦争に疲弊していたのでしょう。
しかし「あたらしい憲法のはなし」は、1950年に自衛隊の前身である警察予備隊が設置されることで教科書から副読本に降格され、さらに、警察予備隊が陸上自衛隊に改組される1952年からは発行されなくなりました。
今日安倍総理は、憲法を改正して9条に自衛隊を明記し、2020年に施行する目標を掲げることを表明しました。
先日のNHKの世論調査で、憲法の改正は、「必要」が43% 「必要ない」が34% という結果でした。
ところが、戦争の放棄を明記した憲法9条に関しては、改正の「必要」が25% 「必要ない」が57%と倍以上の人が今まで通りの憲法9条を支持しているのです。
安倍総理や稲田防衛大臣や今の政府の人、そして世界中の指導者にこの「あたらしい憲法のはなし」を読んでもらいたいものです。
と騒ぎながら、押し付けられた日米安保には
賛成な人達には、残念ながら話が通じないんでしょうね…
ここ数年、車で国会中継を聞いていますが、
聞けば聞くほど安倍政権とそれを支える人達の
思想思考に恐ろしさを感じます
「憲法改正が自民党結党以来の党是」という話は嘘で、安倍さんのお爺さんの岸信介がそうしたかったというだけの話なのでしょう。