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脱線防止ガード

熊本大地震から2週間が経過しました。
今日未明の2:38にも熊本県宇城市で震度4というやや強い地震がありましたが、熊本大地震で脱線したままになっていた九州新幹線の脱線車両が撤去されて、昨日から新幹線は全線開通しました。

あれほどの地震が続いたのですから当分開通は無理なのではと思っていたのですが、あまりにも早い開通に正直驚きました。
ドル箱の新幹線を何が何でもゴールデンウィークに間に合わせたいというJR九州の強い思いの表れなのでしょう。

2004年に新潟県中越地震によって発生した上越新幹線脱線事故の影響を受けて、JR東海では脱線防止ガードの導入を決めました。

脱線防止ガードとは、脱線を防止するためにレールの間に設置される装置のことです。
脱線防止ガード_d0231858_6525989.jpg

                                    (画像:乗り物ニュースより)

山陽新幹線でも新大阪駅ー姫路駅間に脱線防止ガードを設置しています。
山陽新幹線の姫路ー博多間でも脱線防止ガードを設置するとJR西日本が今年2月に発表しました。

国鉄が分割民営化になった当初、黒字となったのはJR東海・JR東日本・JR西日本の3社だけでした。
新幹線のなかったJR九州は赤字の会社だったのですが、九州新幹線が開通して最近収支がようやく黒字になってきたばかりだったのですが、今回の地震で新幹線は不通を余儀なくされていたわけです。

5年前の東日本大震災で東北新幹線は脱線しませんでした。
新幹線には緊急地震速報が出たと同時に緊急停止するプログラムが組み込まれているそうです。
東日本大震災では、震源地が遠く離れた海底だったので、距離が離れた震源地の場合は初期微動のP波から実際の揺れが来るS波との間に時間差があったので、新幹線は脱線することがなく停止できました。

熊本大地震では直下型の地震でP波とS波がほぼ同時に来たので、わずか80kmの回送運転でも全車両・全車輪が脱線してしまいました。

九州新幹線では営業距離289kmのうち、脱線防止ガードが設置されているのはわずか48kmだけです。
今後さらに延伸していくそうですが、経営状況があまりよろしくないJR九州にとって早急な全線設置はまだまだ難しいようです。

今朝もやや強い余震があり、一連の地震が収束したとは全く言えません。
JR九州にすればドル箱の新幹線を1日でも早く動かして経営状況を立て直したいというのが本音なのでしょうね。

九州新幹線の全線開通が熊本復興のシンボルだと捉える方も多くいらっしゃると思います。
私も熊本に親戚がいますが、ちょっと複雑な気持ちです。

九州新幹線は当面は熊本と新八代の間は徐行運転するそうですが、先日の地震では80kmの低速運転でも脱線したのです。
このまま全線開業して本当に大丈夫なのでしょうか?

九州新幹線が開通したのは、5年前の東日本大震災の次の日だったのです。
東日本大震災の報道の影で、華々しいはずの九州新幹線の開通は九州以外の人の目には止まりませんでした。
九州新幹線は東日本大震災の教訓が本当に生かされているのでしょうか?

熊本・大分の一連の地震の回数は、有感地震だけでついに1000回を超えてしまいました。
一番大切なのは人命です。
まずは熊本県内の九州新幹線、そして日本中の新幹線全線への脱線防止ガードの早急な設置を切に願います。
JRに任せるのだけではなく、そういうことにこそ国がお金を出すべきだと私は思うのですが・・・
by k2hair | 2016-04-28 07:54 | コラム | Trackback | Comments(0)

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