ほんまもんのしば漬
2015年 09月 03日
日曜朝の6:15~6:49のNHKの「うまいッ!」という番組でしば漬の本場、京都の大原のしば漬を紹介していました。
大原は京都の街から北北東に離れた山里です
ここ大原でしば漬名人と言われるおっちゃんがいます。
「志ば久」の3代目の久保勝さんです。
ほんまもんのしば漬の材料はナス・塩・赤シソこの3つだけなのです。
他にはなんにも入っていません。
これらを樽に入れ重しをして乳酸発酵させます。
夏の暑さがしば漬の発酵には大切なのです。
重しの石は昔京都を走っていた路面電車の市電のレールの下の敷石の流用品です。
表面を覆っていた赤シソをクルクルを巻き取って、新しいしば漬を樽出ししました。
大原のしば漬けの出来上がりです。
志ば久さんでは、「赤志ば」(新漬)という商品名で売られています。
漬ける前に7mmほどだったナスは重しで漬かってだいぶん薄くなっています。
出来たての新漬けはこの時期にしか味わえません。
これを細かく刻んで混ぜます
ちりめんじゃこと混ぜてご飯にかけて、醤油を少したらして頂きます。
ご飯がめっちゃすすみます。
大原では、こうやって食べるのがメジャーなのです。
うちの母は、自家製の鯖寿司を時々作るのですが、「本しば漬」が家にあるときは細かく刻んで酢飯に混ぜて鯖寿司を作ります。
美味しいですよ。
大原のしば漬が他の場所のしば漬と味が違うのには理由があります。
大原の赤シソと日本のその他の地域の赤シソは、全く違うものなのです。
大原の赤シソはめっちゃデカいです。
一般的な赤シソの1.5倍ぐらいの高さがあります。
大原の赤シソの香り成分の60%をペリルアルデヒドという成分が占めます。
ところが、他の産地の赤シソには、ペリルアルデヒドが全く入っていません。
つまり、大原の赤シソは他の物とは香りがまったく違う別物なのです。
シソはとても交雑しやすい品種なのですが、大原は盆地になっていて里の人はこの赤シソを800年守り続けているそうです。
ですから、大原のしば漬はオンリーワンなのです。
スーパーなどで売っているしば漬は、発酵させて漬けているのではなく調味液に漬けた漬物で、大原のしば漬とは全くの別物なのです。
大原のしば漬は、発酵食品ならではの噛めば噛むほど奥深い味わいがあるのです。
実は、8月のお盆前に京都の寺にお墓参りに行った帰りにこの名人のしば漬を買って帰ったばっかりでした。
三千院の門前のこんなに狭い道をズンズン車で入っていくのですが、運転に自信のない人には絶対にムリです。
車で狭い道を入っていく自信のない人や大きな車では、有料駐車場に車を置いて歩いて行きましょう。
「赤志ば」 1パック400円(税別)です。
すぐきも買って帰りましたが、めっちゃ美味しかったです。
他にも色々な漬物もありますよ。
全部この店での手作りの漬物です。
志ば久
〒601-1241 京都市左京区大原勝林院町58
TEL:075-744-4893 FAX:075-744-3022
営業時間:8:30~17:30 年中無休
通販もやってますが、ただ、テレビで紹介されたので、注文が殺到して発送はかなり遅れるそうです。
志ば久のホームページ